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オフセット印刷について

DTP 印刷

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印刷について書いて行こうと思います。
まず印刷って言ったら何でしょう?
「この間のカンプ印刷しておいて」
「MAXARTで印刷だして」
よくこんな言葉を耳にしますが、これは全部印刷ではないです。印刷とはプロにとってはオフセット印刷を意味していて、上の二つはあくまで出力に過ぎません。

正しくは
「この間のカンプレーザーで出力しておいて」
「MAXARTで大判出力だして」
が正解です。

オフセット印刷とはザックリ言いますと、印刷会社で印刷するプロセスカラーを元にCTPで刷版を出し、CMYKのインクで印刷する事を指します。
プロのデザイナーになるとこの言葉はシビアになります。これとは対称的に用いられる言葉にオンデマンド印刷と言うものがあります。オンデマンド印刷はザックリ言いますと、レーザープリンターの化物だと思って下さい。あまり気にせずにデータも作れます。少ない枚数の場合、オンデマンド印刷と言う選択肢になる事が多いです。だってレーザープリンターですもの。コンビニで出力したら1枚50円とかで出せますよね。しかし、300枚出力したら、300枚×50円で15,000円になってしまいます。3,000枚では150,000円です。そう考えるとかなり高いですよね。そこでオフセット印刷の出番です。

オフセット印刷はフルカラーであれば、CMYKの4色の版を作り、そこへインクを流し込み大型の機械で1版づつ刷っていきます。インクの濃度調整によって多少であれば色を寄せたりする事が可能になっています。

世の中の紙に印刷された媒体のほとんどはこの手法で印刷されています。ではメリットはと言えば、先に述べたオンデマンド印刷が、刷れば刷る程高くなっていくのに対し、オフセット印刷は刷れば刷る程、一枚あたりの単価が下がっていきます。

版を作成する事で1度コストがかかっていますが、そのあと行程は、一旦色を決めてしまえば、あとは紙を流して行くだけです。
ではなぜ、刷れば刷る程、単価が下がるか、それは紙の値段に依存するからです。これは卸値の問題で、大量買いすればそれだけ安くしてもらえるという話です。さらに印刷の場合は、面付けというモノがあります。

ページものの場合、4ページ単位で印刷が可能になるのですが、折丁を考えるとその4倍の16ページ単位で印刷する事が可能になります。4倍の紙にする事で、版代が4分の1に、時間も4分の1に短縮されます。紙の値段自体は上がりますが、全紙を大量買いする型になるため、一枚あたりの単価が下がる事になるのです。
さらに印刷機を輪転機にする事で、もっとコストと納期を短縮する事が可能です。

このように大量印刷する場合にオフセット印刷を選択する事のメリットは多々あります。

発注数量や紙の大きさ次第でコストも変動する。

このあたりの知識は、有能なデザイナーであれば、常に意識しています。この知識がないと、お客様に提案する場合に、費用対効果やコスト安などを折り込んだ制作物の提案が不可能だからです。

デザインとは機能性を求める事にあります。ですので、訴求力だけではなく、需要や予算に見合ったものを作る能力があるかないかを高い次元になってくると求められます。一流じゃなくても、出来るデザイナーを目指すのであれば、是非身につけておきましょう。

意外と奥深いオフセット印刷の話でした。

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