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DTP向けレーザープリンター比較

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DTP向けレーザープリンター比較

DTP用に使えるレーザープリンターって実は少ないんです。ただ出力すれば良いという方は、普通のレーザープリンターで構わないのですが、色も忠実に再現して、色校正紙の代わりにもしたいとか、スキャナーとしても使いたいとか、DTPアプリケーションからアウトラインをかけずに出力したいなど、人によって用途が違うでしょう。DTP向けプリンターの最大の違いはPostScriptに対応しているかという点です。これに対応していないと、CMYKに忠実に色が再現されません。

経験や実機を見た感想を含めて、DTPレーザープリンターを紹介して行こうと思います。

Fuji Xerox

言わずも知れたFuji Xerox。ことDTPをやるのであれば正に必須のメーカーです。何がすごいかと言えば、DTPの痒いところに手が届く機能性、さらには精度の高さはさすがです。

DocuColor 1450 GA

DocuColorはFuji Xeroxのなかでも最高峰のプリンターです。値段は車が1台買えてしまうほどですが、デザイン業界でこれ以上のプリンターは他にないでしょう。

DocuColor 1450 GA

DocuColor 1450 GA

最高峰の画質を目指したDocuColor 1450 GA。開発にあたっては、プリントエンジンそのものを新たに設計。プリント方式には、より精度の高い「4サイクル方式」を採用しました。CMYKの各版が用紙の同じ位置で重なることで色ズレや色ムラの発生を抑制。カラー14.3枚/分注1 のスピードを実現しながら、安定した色再現性を得ることができます。

Docucolor1450イメージ01

これまでのDocuColorも画質へのこだわりがピカイチでしたが新エンジンによりさらに色ズレや色ムラを抑制し、色の再現性を得た様です。これ一台あれば、DTPからデザインまでなに不自由することはありません。

忠実な色再現のキーとなる感光体ドラムユニットについても新たに開発しました。従来より肉厚の2 mm厚アルミ素材を採用し、ドラムの形状を限りなく“真円”に近づけて現像・転写工程におけるバラツキを低減。また、真円化とともに剛性を高めることで安定化。これにより「面内ムラ」を低減しました。

Docucolor1450イメージ02

Docucolorのすごいところは、その高精細さにあります。小さな級数の文字から、ヘアラインまで忠実に再現出来る機能を持ち合わせています。そして、肝心な色の再現性こそが最大の売りです。ひと昔前は、網点の再現性に疑問が残る点もありましたが、現在の機種ではその点も改善し、オフセット印刷を再現する程の能力があります。出力される解像度も2400dpiと他社を圧倒するスペックです。この解像度のおかげでTIFFデータを直接出力する事も可能になった様です。

トナーには「EA-Ecoトナー注1 」を採用しました。従来のトナーに比べて、トナーの粒径が5.8μmと極めて小さく、さらにトナーの形状を転写に有利な形状とすることにより用紙への転写率、定着率が従来の粉砕式トナーに比べて大幅に向上し、トナーの使用量を低減しました。また、トナーの粒子内にワックスを内包し定着オイルを不要とすることでプリント面に付箋を貼ったり、メモを書き込むことも可能になりました。

以前はレーザープリンター特有のグロス感があり、出力したカンプに付箋を貼ったり、メモを書く事が出来ませんでした。しかし、トナーを変えた事により、問題点を克服したようです。

 

その他さまざまなカラーワークフローに対応

CMYK ワークフロー

すべてのデータをCMYKで統一している場合に、 印刷環境の色再現をシミュレーションできます。 RGB 警告、分版合成 / オーバープリント再現モー ド、EPS(JPEG)画像対応機能と併用することで、トータルなカラーマネジメントが可能になります。

RGB ワークフロー

デジタルカメラで撮影したRGBデータを使ったワークフローに最適な出力をする際に用います。「sRGB」または「する」に設定することで、RGB 色補正ができます。

他に特色ワークフローや2色印刷ワークフロー もあります。

さまざまなカラープロファイルに対応

DIC 標準色認定の取得をはじめ、Japan Color、 雑誌広告業界の標準カラーである JMPA カラー に対応。DIC、TOYO、PANTONE® の特色を ® シミュレーションが可能です。さらに、GRACoLやSWOP®、ISO Coatedといった新たな海外 版色基準にも対応しています。

その他、スキャナー機能を標準装備。RGB画像警告機能。ヘアライン警告機能、アウトライン文字の太り低減など、デザインをする上で助かる機能満載です。しかし、とても高価。あなたならどうしますか?

と、ものすごいゴリ押ししましたが、私はゼロックスの社員でも関係者でもありませんよ。

DocuColor 7171 P

DocuColor 7171 P

DocuColor 7171 P

プロダクションプリンターに求められる高生産性、高画質、用紙汎用性、各種画像補正機能を備えながら、オフィスユースのためのコピー、ファクス、スキャン、認証、サーバーレスオンデマンドプリントなどの機能も備えたDTP向けプロダクションプリンター。

こちらは先程の1450GAと比べてトータル金額は少々高めです。しかし、そのスピード感と拡張性が売りです。DTPの現場というのは、主に何を制作しているかによって、プリンターに求められるプライオリティーが変わってきます。出版社など大量のページを扱ったり、印刷会社の様にオンデマンド印刷の需要が大きかったりする場合は、こちらの7171が向いています。出力枚数ですが、1450が1分間に14枚に対し、1分間に70枚の出力が出来きます。スキャナー速度も1分間に100枚もとれます。さらには、フィニッシャーといって、自動でホッチキス止めをしてくれるオプションなど多彩な拡張性があり、オンデマンド印刷機としても重宝します。オプションと組み合わせる事で最大6160枚の用紙をセット可能になります。

多彩な拡張性

多彩な拡張性

もちろんDocuColorなので、2400dpiと高画質。FAX機能も標準装備な為、オフィスユースにも行ける仕様です。

トータル的に見て、ある程度の規模のオフィスや雑誌編集者、出版社などに向いているプリンターですね。

DocuPrint C5000 d (Model-PSN01)

DocuPrint C5000 d

DocuPrint C5000 d

上記の2台が複合機だったのに対して、こちらはDTP向けの割と安価なレーザープリンター。と言っても定価では100万円以上します。

スキャナーやFAXなどの複合機機能は無いですが、出力枚数が1分間に50枚と、なかなかのスピードを持ち合わせています。

各種カラーワークに対応

充実のカラーマネジメント機能
キャリブレーション機能で使用環境によるプリント時の色変化を補正

さまざまなカラーワークフローに対応

データ不備などを事前警告

入稿データの不備を警告し印刷トラブルを防止
(RGB画像警告、オーバープリント警告、ヘアライン警告、特色警告、インキ総量警告)

オーバープリントやトラッピングを再現

オーバープリント再現機能
色分版の合成

上記の様なDTPに必要な機能も充実しています。トレーを3段にすると約150万円としてしまうのが難点ですが、小規模なデザイン会社などには丁度良い価格と機能です。

Canon

カメラで有名なCanon。印刷分野ではインクジェットプリンターのイメージが強いですね。値段で選ぶならCanonという選択でしょうか。

imagePRESS C1+Ⅱ

imagePRESS C1+Ⅱ

imagePRESS C1+Ⅱ

CanonにはimagePRESS C1+Ⅱというプロダクション向けプリンターが存在します。Fuji Xeroxの1450と競合するカラーレーザープリンター複合機です。特徴は1450とほぼ謳っている事は一緒です。下記にもその機能性を書いておきます。良い点は用紙トレーにA3ノビ用紙を格納出来る点と、グロスレスな為、出力に赤字などを書込む事が可能な点です。

しかし正直いいますと、私はあまりお勧めしません。価格は1450と比べ確かに安いです。ですが、サーバーのZ1に搭載されているCPUが10年近く前のPentiumプロセッサである事。画像解像度が1200dpiな為、画質はそれなりです。

さらに高精細と謳っているのですが、アウトライン文字が太ってしまいます。これはかなり致命的で、極小の文字が読めない程です。しかもウエイトが2つくらい上に見えてしまうため、折角のデザインが損なわれてしまいます。コチラはメーカーに確認したところ、どうにもならないと言われました。

更にお勧め出来ない点としては、すぐ壊れます。Fuji Xeroxのプリンターは壊れにくいのに対し、このimagePRESS C1+Ⅱは週に3回もメンテナンスを呼ぶ始末です。これでは使いものにならないですCanonさん。

しかし、昨年imagePRESS C65というプリンターが発売になりました。価格は高めですが、画像解像度も2400dpiになり、機能面も強化されている様で、こちらに期待したい所です。ただし気になるサーバーのCPUがIntel Core i5とう心許なさ。このあたりを強化していただきたいですね。

高精度・高精細

オフセット印刷にせまる画質クオリティ、イメージを高精度・高精細に再現

色味安定性

描いたイメージを安定した色味で再現

高生産

より速く、美しくイメージを生産

ネットワーク連携

効率的なワークフローをもたらす「ネットワーク連携機能」

製本機能

多彩な面付製本機能

まとめ

とりあえず大手2社の比較になってしまいましたが、レーザープリンターの導入で迷っていたら参考になればと思います。

結果としては、私個人の長年の判断ですが、Fuji Xeroxに軍配が上がってしまいます。

価格で決めるか、性能で決めるか。

クリエイターとしては是非性能で決めて頂きたいところです。

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