デザインに役立つ色の組み合わせ
デザインに大事な色のセンス。以前、色を決める時ってどうしてるんですか?って質問をされた事があります。配色を考える場合、闇雲に決めている訳ではありません。色々と意味合いがあって配色をしているのですが、その際のヒントになる考え方をご紹介します。少し考え方を変えることで、簡単にデザインにマッチした配色を取り入れる事が出来るので、参考にしてください。
配色を決める方法
配色を決める方法はいくつもありますが、考え方と例をあげていきます。
1.季節感を考慮する
まずは季節感が出せるかを考えていきます。制作するものの期間や時期はとても重要です。そこで、季節ごとに合った配色があるので、簡単に紹介します。
4月
四月といえば、入学、入社、引越しなど季節の変わり目のシーズンですね。そしてなんと言ってもお花見の時期、そう桜の季節なのです。ですので、四月上旬から中旬までは、モチーフや写真素材としてサクラが多様されます。そこで、桜の木を思い浮かべてみてください。
まずは花の色は文字通り桜色、淡いピンクです。それから、葉っぱの色。コレは黄緑色ですね。もしかしたら、サクラに停まっているウグイスでも良いかも知れません。その場合は、うぐいす色になりますね。そして、木の幹の色。焦げ茶色をしています。
こうやって紐解いて見ると、ピンク、黄緑色またはうぐいす色、茶色という組み合わせが生まれます。この3色が四月のメインの配色になります。この組み合わせは四月だけではなく四季というくくりで言えば、春の配色にもなります。
では、桜が明らかに散っているであろう四月下旬はどうすれば良いかと言ったら、配色はそのままで、モチーフとしてのサクラをやめれば良いのです。写真やイラストのサクラを使わない事です。それでもピンクがイヤだとクライアント側などから指摘されたら、黄緑色を中心とした配色にするか、五月の配色で代用してしまうのもアリですね。
実は他にも四月や春の配色はあります。
菜の花をモチーフにした黄色と緑の配色
サクラや春空、新緑などからパステルトーンの配色などです。
5月
五月といえば、ゴールデンウィーク、子供の日、鯉のぼりなどの連休から始まります。鯉のぼりや子供の日のイメージで原色の元気な配色も良いかも知れません。そして、新緑と晴れわたる空のイメージから、黄緑色やスカイブルーなど。さらには、母の日があるので、カーネーションの色から赤やピンク更には黄色なんかの少しビビッドな配色も入ってきます。しかし母の日はイベントなので、ピンポイントの広告など意外ではあまり用いることはありません。
五月は青空に舞う鯉のぼりのイメージが強いです。ですので、スカイブルーに赤や青や緑の原色で元気の良い配色が持って来いですね。あまり色を増やすと、五月蝿く(ここにも五月が)なってしまうので、赤と青と白なんかの配色が良いかもしれません。
五月の後半になると、春も終わりに突入し新緑の黄緑色と深緑の深緑色の混在したイメージになります。この二色を用いた配色は六月いっぱいくらいまで使用できますね。
6月
六月はこれといったイベントはなく、強いていえば父の日があるくらいです。そしてみなさんの嫌いな梅雨が始まります。梅雨の代表格はなんと言っても紫陽花ですね。
それから六月といえばジューンブライドです。六月に結婚すると幸せになるらしく別名「女神の月」とも。元々はヨーロッパで生まれた言葉だそうです。結婚式のイメージは白やピンクにゴールドやシルバーでしょうか。こちらもイベント的な色合いなので普段は使わない事が多いでしょう。
先ほども述べたように、六月を代表する花である紫陽花。実際には五月~七月までが季節みたいですが、六月と言えばやはり、梅雨と紫陽花とカタツムリを連想しますね。
紫陽花の色合いを紐解いて見ていくと、薄紫色のイメージが強いですが、薄いブルーや薄いピンク、そして葉っぱのグリーンがあります。更には雨のイメージで水色も入ってきます。これらを組み合わせてパステルカラーの配色になります。ここから二色ないし三色の組み合わせなんかは六月の配色にぴったりですね。
7月
七月は七夕から始まり、なんと言っても夏休み。海の日があるのは七月ですね。花火大会などもあり、沢山のイメージが湧きますね。
七夕はピンポイントのイベントなのでそれに因んだ配色やデザインがあります。花火大会もイベント的な扱いですが、モチーフやデザインには持ってこいです。
やはり七月といえば海の日。海の水色と青空の青、そして雲の白。アクセントに太陽の黄色やオレンジも良いかも知れません。全体的に爽やかな配色になります。その他、スイカの赤や緑も配色に取り入れると夏っぽくなります。
8月
八月も夏休み真っ只中で、お祭りやお盆、なんと言っても向日葵が似合うのは8月ですね。時期的には、かき氷の配色も八月に合います。そして深緑の深緑色、森や昆虫の茶色も良いですね。空は真っ青に入道雲の白、もうなんでも来い的な賑やかさを出しても大丈夫な月です。
やはり八月といえばこちらの配色で決まりです。青空の青に雲の白、向日葵の黄色と茶色です。全面黄色と茶色もありですね。この組み合わせは四八月だけではなく四季というくくりで言えば、夏の配色にもなります。
それとは対象的に落ち着いた雰囲気の配色があります。朝顔の配色です。淡い紫色や淡いピンク色、お盆のイメージですとこちらの配色も合うかと思います。浴衣に多いのもこの手の配色ですね。
9月
九月は夏が終わり、秋が始まる季節です。九月はお彼岸や月見、秋分の日や敬老の日があります。近年ではシルバーウィークなども出来て、連休や祝日のイメージが強いですね。秋なんですが、まだまだ残暑が残る九月。紅葉にもまだ早いので、枯葉や紅葉のイメージは合いません。
秋だけど紅葉じゃない時期の配色はかなり迷いますね。やはり九月は十五夜があるので、月から取って黄色や、黒、団子の白などが良いですね。
ただ暗くなりがちなので、トンボの季節を利用して赤や黄色、臙脂色などの暖色系をもちいると、秋らしい配色になります。
10月
十月はといえば食欲の秋、秋刀魚を始め収穫の時期なので野菜や果物、キノコなど沢山の食材に恵まれた時期でもあります。さらに体育の日があるので運動会。そして季節の移り変わりの象徴である紅葉。最近ですとすっかりお馴染みになったハロウィンがありますね。配色するにはイメージが満載ですね。
共通して言えるのは、赤や臙脂色、黄色や橙色、ちょっと彩度の低いグリーンなどです。これをベースに2色ほど組み合わせて配色する事で秋らしいデザインの出来上がりです。デザインモチーフで紅葉や銀杏などの葉っぱの画像やイラストを散りばめるとすっかり秋になりますね。季節感として秋の配色としてもぴったりです。
11月
十一月は勤労感謝の日があり、七五三もあります。さらにボジョレーヌーボーが解禁になります。紅葉はますます深まり、そしてもうすぐ冬支度な時期です。文化祭の多い時期でもありますね。
ボジョレーやブドウの収穫に併せて、ボルドーやライトグリーンなどでも11月の配色に出来ると思います。
また、紅葉もこの時期に最大の見頃を迎えるために、10月同様に赤や臙脂色、黄色や橙色、彩度の低いグリーンで秋の配色も共通して使えます。
12月
十二月はいよいよ冬ですね。冬は雪です。って言うと色がなくなってしまいますが、スキーにスノーボード、かまくら、そしてなんと言ってもクリスマスがあります。そして大晦日。1年の締めくくりの月ですね。
クリスマスの配色と言えば、赤に緑に白、そしてゴールドです。イルミネーションや夜景のイメージを用いれば、紺色との組み合わせもあります。赤、緑、白、金の組合せはお正月の配色と被るので使い方が重要です。赤の割合を多めに使用するとクリスマス感が出せます。あとはキラキラした感じと賑やかさが重要になってきます。
1月
一月は一年の始まりの月、お正月がメインになりますが、実はお正月は小正月である15日までという事になっているのを知っていますか?それをちゃんと踏まえて、お正月カラーは15日以降は使わない様に心掛けましょう。但し、年始という括りでは一ヶ月行けますので、豪華で高級感のある配色は使えると思います。
先にも述べた様に、お正月の配色はクリスマスのカラーと似た部分があります。赤や緑、白に金。ひとつ違うのは黒が入って来る事です。クリスマスと差別化するコツは、金と緑の割合を増やす事と、上手く黒を活用する事です。特に黒の使い方次第で、お正月らしい配色に持っていく事が可能になります。
2月
二月は節分とバレンタインがありますね。節分と言えば、赤鬼、青鬼といったイメージから、豆まきや最近では恵方巻などが連想されますね。バレンタインは本来キリスト教のイベントですが、日本では女性が男性にチョコレートをあげる日となっています。ですので、ハート型やチョコレート、プレゼントのイメージが出来ます。
二月もこうして見ると赤ですね。ピンクやチョコレートの茶色などを合わせてみると、バレンタイン限定の配色になります。冬ですので夜景やイルミネーションのイメージから、紺色なども合わせられるかと思います。
3月
三月は春の訪れです。長い冬が終わり暖かくなってくる月です。それにより花々が咲き始める時期でもあります。そして、女の子の日雛祭りがありますね。桃の節句とも呼びます。
春の訪れをイメージするのであれば若草色や黄色やピンクです。雛祭りのイメージを用いれば、赤や金の絢爛豪華な配色も良いですね。
季節感のまとめ
こうして一年、12ヵ月に分けて見ていくだけでも配色のヒントは沢山ありますね。ここで挙げたのはホンの1部ですので、これを参考に自分だけの季節の配色を見つけてみてください。
コメントを残す